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スキージャンプのスタートゲートと風のポイント!追い風と向かい風どちらが有利?

スキーのジャンプでは、飛距離と飛型で得点が決まり、順位が付くが、飛距離を出すには、風が重要な要素となる。山の上にあるスキー場では風が強く吹く場合もあり、その風にうまく乗れるかどうかが勝敗を分けると言っても過言ではない。
公平を期すために、スキージャンプでは、風をリアルタイムで測定していて、不利にならないよう信号で選手に知らせている。
そしてもう一つ、飛距離に影響するものに、スタートの位置がある。スタートの位置によって助走のスピードが変わり飛距離に影響するからである。
というわけでスキージャンプには、2010年からスタートゲートと風の補正ポイントが導入されている。
スキージャンプのスタートゲートと風のポイントについて調べた。

 

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追い風と向かい風 有利なのは?

スキージャンプでより飛距離を出すために有利な風は、

  • 向かい風

向かい風と言うのは日常会話ではネガティブイメージであるが、スキージャンプでは大歓迎なものなのだ。

風のポイント

というわけで、風の向きや強さによってジャンプの飛距離には大きな影響がでる。その不公平を調整するために風の補正ポイントが導入された。

向かい風ならマイナスポイント、追い風なら加点ポイントとなる。

また、風が強い場合には、競技が延期される。

風ポイントの例を見てみよう。

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pyeongchang2018.com

赤い四角で囲んだところが、風のポイント。風の強さによって加点・減点されているのがわかる。1位の選手の例だと、合計点143.8のうち3.8ポイントは風のポイントで約2.6%。これは大きいのか小さいのか。

この試合での風ポイントの計算は、

  • 向かい風秒速1mで10.8ポイント
  • 追い風秒速1mで13.07ポイント

1位の選手は、追い風0.29mだったので、13.07x0.29=3.7903、小数2位以下を四捨五入して3.8ポイント。

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pyeongchang2018.com

通常リアルタイムで風を測っている。

選手へのスタート合図には赤黄青の信号とデジタルタイム表示板が使われるが、風が強いことも、選手がゲートに入ることができない信号赤の理由の一つである。また、準備を意味する黄色に変わったあとにまた赤に戻る理由も風であることが多い。

信号が黄色に変わると問題がなければ通常10~45秒で青信号に変わる。青になった後は、10秒以内に選手はスタートしなければならない。この時にちょうど向かい風が吹くとラッキー、追い風が吹くと残念という運も試合内容の一部である。

それでもその運任せの不公平の影響をなるべく減らそうというのが風のポイントである。

 

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スタートゲート・ポイントとは

スタートゲート・ポイントとは、

  • スタートする高さによって加減されるポイント

例で見てみよう。

現在のスキーのジャンプ台のスタートゲートは、バーになっている。

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skijumpeast.com

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si.com

選手は、横に見える階段からバーに座って横滑りしてバーの中央に座り、スタートの合図を待つ。信号が青になったら体の重心を前に移動し、10秒以内にスタートする。

このバーの位置はスタートゲートのエリアで坂の上下に動かせる。

スタートゲートのポイントは、このバーの位置で決まる。基準のバーの位置は、天候などの条件によって、試合ごとに審判によって決定されるのだが、その基準の位置より下からスタートするとポイントが付与され、上からスタートするとマイナスポイントとなるのだ。

なぜなら原則、より高いところからスタートすると遠くまで飛べ、より低いとこからスタートすると短くしか飛べないからである。

だったらなぜ全員高いところから飛ばないのかと言うと、ジャンプが大きすぎると危険だからである。

ジャンプ台の大きさはセットされているから、遠くに飛びすぎても近過ぎる位置に着地しても危ない。危険を回避するために、着地エリアに設定された位置に着地するように、基準のスタート位置が設定されるのである。

だけれど全員がその枠に収まらない。

だから、大きく飛びすぎている選手は、より下の位置から、飛距離が短い選手は、より上の位置から、スタートすることができる。そして、位置を変えた分をポイントで調整するという方式になっているのである。

次の写真ではスタートゲートの位置に番号が振られているのがわかる。赤い矢印。

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4travel.jp

スタートゲート・ポイントの例を見てみよう。

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pyeongchang2018.com

ゲート23が基準の位置で、ゲート22だと3.5ポイント与えられるのでより下であることがわかる。この試合のゲートのポイントの基準は、1mあたり7.67ポイントだったので、3.5ポイントは46センチくらい。

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pyeongchang2018.com

この試合で使用されたゲートは23と22だけであった。

 

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まとめ

スキージャンプでは、スタートゲート・ポイントと風のポイントが条件の平等を期すためと安全のために導入されている。
スタートゲートはより高い位置から飛ぶと原則より遠くまで飛ぶが、着地の範囲が決まっているので遠くに飛びすぎると危険であるから、その場合には低い位置から飛びポイントが加算される。
風のポイントについては、追い風が不利で向かい風が有利であることから、ジャンプのときに吹いていた風によってポイントが加減される。

 

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