イギリスのEU離脱いつ?第50条Article50とは【ブレグジット】
イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票が2016年6月23日に行われ、「離脱」が勝利した。
キャメロン首相も安部首相もメルケル首相もオバマ大統領も、そしてエリザベス女王も残留を望んだが、国民は離脱を選んだ。
早速、英ポンドが31年ぶりの安値を記録し円は乱高下し株価もことし最安値と市場に影響が出ている。
市場安定のために政治のリーダーたちは声明を発表する。
イギリスは本当にEUを離脱できるのか。
離脱するならそれはいつなのか。
イギリス国民が離脱したい理由やArticle50とは何か。
sponsored link
イギリスのEU離脱はいつ?
※2020/2/1追記
2020/1/31にイギリスはEU離脱。
※2019/12/21追記
報道によると、EU離脱は、2020年1月末となる見込み。
2019年3月に予定されていたEU離脱は、期限が10/31に延期されていた。しかしながらイギリス下院は法制化審議の時間が足りないと反発、首相はEUに再延長を要請し、1月末までの延期を認めていた。
事態打破のためジョンソン首相は、12/12に総選挙を行い国民の判断を仰いだ。結果はジョンソン首相率いる離脱派の保守党が圧勝。12/20、下院は関連法案の基本方針を可決し、1月末の離脱がほぼ確定と報道されている。
※2018/8/8追記
BBCの記事によると、離脱の日程は、
- 2019年3月29日(金)イギリス時間夜11時
離脱後の混乱をスムーズに解消するため、この日から21か月間の”移行期間(transition period)”が設けられるという。
- 2019年3月29日~2020年12月31日まで・・・移行期間
離脱に関するもろもろの条件についてイギリスとEUは今もなお話し合いの最中。
もし、離脱日までに合意に至らなかったとしても、離脱は遂行される。
----------------------追記ここまで
EUの離脱には、少なくとも2年かかる。
その間イギリスは、これまでと同じEUのメンバーであるが、EUの方針決定などには参加できない。イギリスとEUが離脱の条件を調整しないといけないからであり、Article50にも書いてある。
これまでEUを離脱した国はないが、デンマークに植民地支配されていたグリーンランドが自治権を獲得し、EUを離脱した。ただしグリーンランド人の国籍はデンマークであり、EUの選挙権がないEU市民という特殊な関係になっている。
グリーンランドの場合は、1982年にEC離脱が議決され、離脱したのは1985年。
50条Article50とは?
Article50というのは、欧州連合条約の第50条のことで、EUからの離脱について書いてあるところ。
そこに、加盟国が脱退の意思をEUに通知をした日から2年後にEU加盟国が締結している条約が適用されなくなる、ということが書いてある。
第50条の発動には、イギリスが正式に離脱をイギリスの決定としてEUに通知する必要があり、その日から2年以内に条件を話し合い決定しないといけない。
第50条が発動されたことはこれまで一度もなく、だれもどうなるかわからない。
イギリスはEUを本当に離脱できる?
実は国民投票には法的拘束力はない。
イギリスの国会では、キャメロン首相をはじめ、野党の労働党など多くが残留派であった。EU離脱には国会での法的手続きが必要であるが、ここでEU離脱を阻止することができる。
しかしながら、国民に選ばれる国会議員が国民の意思に反した決断をすることはないという。
一度EUを離脱したらもうEUに戻れないの?
戻れる。
イギリスが離脱したかった理由
離脱したい人たちは、EUの締め付けが厳しいと感じている。経費も多くかかるし、イギリスに来て暮らしているEU内の外国人を迷惑に感じている。難民問題もある。あとはイギリス人としてのプライドというのだろうか。ヨーロッパひとくくりになることに抵抗があるという。
イギリス国民の心配は英語?
イギリス国民は、イギリスがEUを離脱すると、ヨーロッパで英語が使われなくなり、ライバルのフランス語が栄華を極めるのではと懸念している人もわりといるらしい。
言語は大きな文化的要素だ。
権力の世界にあっては、支配した場所に自らの言語の使用を強いた歴史の事実もある。
英語が世界の共通語となりつつある今日では、ヨーロッパでも英語のほうがフランス語よりもより使用される傾向にあり、イギリスが離脱してもEUでは英語も使われる続けるそうである。
それから、毎年ヨーロッパ各国が参加して行われる大盛り上がりの音楽コンテスト、「ユーロビジョン」に参加できなくなるのでは、と心配する若者も多いそうである。
スコットランドが独立するって本当?
イギリスは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという「country」が4つ集まって成っている国である。
スコットランドは、EU残留を強く望んでいた。2014年にイギリスからの独立の是非を問う国民投票が行われていて、その時は独立賛成票が44%でイギリス残留が決まったが、これをきっかけに再燃する可能性がある。
地域別離脱か残留かのマップ。
If this map doesn't spell uncertainty and brewing conflict, I don't know what does #brexit pic.twitter.com/u4kZf7OLnN
— Amie Ferris-Rotman (@Amie_FR) June 24, 2016
青が離脱、黄色が残留。
スコットランドはイギリスの北部。まっきっきである。
まとめ
イギリスでEU離脱の是非を問う国民投票が行われ、離脱が多数となった。
実際の離脱までには少なくとも2年はかかる。
EUの加盟国離脱には、Article50(欧州連合条約第50条)が適用される。
関連記事:
uwanosorajikenbo.hatenablog.com
uwanosorajikenbo.hatenablog.com
uwanosorajikenbo.hatenablog.com
sponsored link