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2033年旧暦問題をわかりやすく!中国や六曜との関係は

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2033年問題とは、旧暦の2033年の問題で、影響があるのは葬儀業界であるという。友引が決められないからだそうであるが、友引は六曜のひとつであるが、旧暦とどう関係しているのか。
また、中国などアジア各国では日本いう旧正月を盛大にお祝いしているが、中国など世界ではどうなっているのか。

日本ではもう使われていない「旧」暦が、なぜ2033年問題となってしまうのかをなるべくわかりやすくまとめてみたいと思う。

 

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旧暦2033年問題とは

旧暦2033年問題とは、旧暦2033年後半を何月か決められなくなる問題のこと。

なぜこんなことが起こるかというと、旧暦には、「うるう月」があるから。

現在日本で使用されている暦にも「日」を投入する「うるう年」があるが、その「月」版である。

1年は、地球が太陽のまわりを1周する時間であるが、ぴったり365日ではないので、その時間調整のために投入されるのが「うるう」である。

現在のうるう年は、4年に1回2月29日という「日」が投入され、通常365日の1年が366日になる。
一方、旧暦では、1年が354日であった。これは、現在の365日よりも11日少ない。「うるう月」はこれを調整するために3年に1度ほどの割合で投入される「月」である。

ややこしいことに、「うるう月」は「13月」として投入されるのではなく、「うるう○○月」として投入される。たとえば1月の後に投入の場合「うるう正月」、4月の後に投入の場合「うるう4月」というように。
さらにややこしいことに、うるう月をどの時期に入れるかについて時代や地域によってルールが違っている。

日本の旧暦は、「天保暦ルール」という1844年制定のルールが使われていて、このルールでは2033年のうるう月を決められないという不都合が生じているのである。

このままでいけば、2147年、2223年にも同様の不都合が生じることになるのでるが、現在この暦を採用していない日本では、公的にルールを決める機関がないし、基本的に政府は関与しないものである。ただし学術シンポジウムなどは開催されていて国立天文台のサイトでも言及されている。


旧暦2033年問題で困ることは

問題は現代日本で公式には使われていない暦上のことであって、実害は特にないように思える。
ところがあるからニュースになっているわけで。

それは、伝統行事と冠婚葬祭である。

日本が今の暦を公式の暦としたのはしたのは明治6年、西暦にして1873年から。まだ150年経っていない。

伝統行事や冠婚葬祭は今日でも旧暦に則って行われているものが多いということである。

そのなかで多くの人にかかわりそうなことが葬儀である。旧暦や伝統行事に興味がなくても「友引」の日に葬儀はしない、というのは耳にしたことがあるだろう。


友引と六曜

「友引」は「ともびき」と読み、「六曜」のひとつである。
「六曜」とは、先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口の順番に繰り返す6種の曜で、1日に一つが対応している。曜という字が使われているが、もともといまの曜日のように、日を区別するための単位として使われていたと考えられている。現在に当てはめれば1週間が6日だったと考えるとわかりやすいだろうか。
14世紀以降に中国から伝来しその後日本独自に変化したとされる。
仏滅という言葉が出てくるため仏教と関係あるように思われるが全くない。もちろん神道とも関係ない。

この六曜が何を表すかというと、吉凶である。お日柄などともいう。いわば占いであり迷信である。とはいえ、六曜に基づいて冠婚葬祭の日を選ぶ日本人はとても多いのである。六曜を考慮することは風習であり世間体であるといえるだろう。

友引は、中でもとくに多くの人が考慮するものであろう。現在の友引の意味は、「凶事に友を引く」という意味で、友をいっしょにあの世に連れて行くと考えられ一般に葬儀は行われないところが多い。


旧暦と六曜の関係

暦ではなく占いである六曜が、なぜ困った問題なのかというと、六曜は旧暦に基づいて決まっているからである。
旧暦の月の1日が1月から順に、上記と同じ順番に固定されている。1月1日は先勝、2月1日は友引、3月1日は先負というように。閏月は、前の月(閏3月なら3月)と同じ。

よって旧暦の何月かが決まらないと六曜も決まらず、友引の日も決まらないため、葬儀関係者の休日も決まらないということになる。

 

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中国では2033年どうなる

日本の旧暦はもともと中国暦から派生したものである。その中国にはこのような不都合は生じていないのか。

その中国は世界や日本と同じ暦を公式に採用しているものの今でも新年は伝統的な中国暦で祝っている。中国の新年は西暦の1月1日ではなく、日本でいう旧暦の正月である春節、干支がかわるのも春節からである。中国暦は今も生きた暦である。

結論は、

中国では旧暦2033年問題はない。

それは、旧暦のルールが、中国と日本で違うからである。先に述べたように旧暦のルールは時代や場所で違っていて、日本でも江戸時代になると中国暦そのままではなく、日本独自のルールが使われるようになった。その一番最近のものが170年以上前に考案された「天保暦」である。

一方現在中国が採用している中国暦は「時憲暦」というそうで、今でも政府が公式にメンテしている生きた暦である。2033年に不都合は起きない。

そして世界でも旧暦には中国と同じものを採用しているということで2033年に不都合は起きない。ベトナムはベトナム時間を採用していて時差があるが、他では中国標準時に基づく旧暦を採用しているそうである。

念のため加えると現在日本にある六曜は日本独自のものであるため、中国でもどこの国でもまったく関知しないものである。

まとめ

2033年旧暦問題とは、うるう月のある旧暦で2033年にどこにうるう月をいれるかが現在のルールでは一義に定まらない問題。旧暦により六曜も決まるため、六曜の友引の日が休日となる葬儀業界で特に問題となっている。
中国と日本では旧暦の決め方のルールに違いがあるため、中国暦では2033年問題は起こらない。

 

おまけ

中国と日本では、暦のルールに違いがあるため月がずれることもあり得るし、時差があるため、旧暦の正月が違う日になることも起きるそうである。