ウサイン・ボルトはリレーで何があった?なぜ足の負傷で転倒したのか【世界陸上2017】
土曜夜のロンドンスタジアムは、ウサイン・ボルト選手のランストランに向けて興奮に包まれていた。
ついに訪れたその時、ボルト選手は転倒、フィニッシュすることはなかった。
いったい何があったのか。なぜこのタイミングで足を負傷したのか。
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目次
ウサイン・ボルト転倒の理由
ジャマイカチームの医師、ケビン・ジョーンズ氏は、ボルト選手の負傷は、
- 左足が攣ったため
It’s cramps in his left hamstring
と明らかにした。しかしながら、こう続ける。
レースをふいにしてしまった失望感からの痛みが大きい。この3週間はハードだったんだから
ウサイン・ボルト足が攣った理由
男子4x100mリレーが遅れてスタートしたことをご存じだろうか。
リレーは日本時間朝5時50分スタートの予定であったが、実際には6時を過ぎてからスタートしている。
その間およそ10分。
しかしながら、頂点を極める陸上アスリートにとってこの10分は大きい。
ボルト選手のチームメイトで、3走を務めたヨハン・ブレーク選手によると、ボルト選手はレース前、嫌な感じ(bad feeling)を持っていたという。
理由は、
- 待たされて体が冷えてしまった
から。
レースは10分遅れた。自分たちは40分も待たされた。クレージーだ。
The race was 10 minutes late, we were kept 40 minutes. It was crazy.運営側は長く待たせすぎだ。
They were holding us too long.
先ほどのジョーンズ医師も指摘している。
待合室は寒かった。選手たちは文句を言っていた
レース直後、BBCの記者、ナタリー・パークス氏もツイートしていた。
- ジャマイカチームはリレー前に待たされてハッピーじゃなかった。つまり冷えてしまった。チームメイトたちはボルトはありが攣ったのだと思っている。まだ決めつけるのは早いけどね。
Jamaican team not happy with being kept waiting before relay. Meant they got cold. They think Bolt suffered from cramp but too early to say.
— Natalie Pirks (@Natpirks) 2017年8月12日
100mで金メダルとなったガトリン選手も指摘してる。
上着を脱いだのが速すぎた。ボルトも冷えてしまったんだろう。
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まとめ
ウサイン・ボルト選手の最後のレースとなった世界陸上2017の男子4x100mリレーで、ボルト選手が転倒した理由は、左足が攣ったからである。その原因となったのは、寒い待合室で予定よりも10分も長く待たされ、体が冷えてしまったからである。
世界陸上2017男子4x100mリレー結果のおさらい
金メダル イギリス(Ujah→Gemili→Talbot→Michelle→Blake)
銀メダル アメリカ(Rodgers→Gatlin→Bacon→Coleman)
銅メダル 日本(多田→飯塚→桐生→藤光)
ジャマイカはDNF、Did Not Finish。(McLeod→Forte→Blake→Bolt)
おまけ
ボルト選手が尊敬するマイケル・ジョンソン氏は、次のようにツイートした。
Bolt probably one year too many. Sad to see him go down in his final race. Personally I think he has been amazing for the sport. #Respect
— Michael Johnson (@MJGold) 2017年8月12日
”ボルトはたぶん1年多くやってしまった。最後のレースで負ける彼を見るのは悲しい。個人的には、すごい陸上選手だったと思ってるよ”
BBCの記事ではほかに、
ボルトは勝てなかった場合を想定してただろうけど、こんな風に終わるなんて想像していなかっただろう。ゴールしたかったと思う。観客にショーを見せたかっただろう。
と言っている。
一方、ボルト選手はレース後、次のようにツイートし、インスタに写真も載せている。
"みんなありがとう。ファンのみんなへ永遠の愛を"
かっこいいな、ボルト選手。なんかちょっとイエスキリストみたいにも見えるかも、この写真。
ボルト選手は、チームメイトにひたすら謝ったそうだが、チームメイトたちは、「なんで謝るんだ、けがはスポーツにつきものなんだ、まったく謝る必要なんてない」と言ったそうだ。
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感想
あまりに衝撃的であまりにドラマチックなラストランとなった。そしてあまりにもスーパースターなボルト選手だった。それは悲劇的な最後といえるかもしれないけれど、だからといってボルト選手の、ほかの誰でもないボルト選手の価値や印象や存在感が全く変わるものではないとかえって証明することとなったように思う。
加えて、ボルト選手でも、心理的負担を感じたり、足がつったりするんだ、と親しみを感じた人も多かったに違いない。
ボルト選手は、理想としたジョンソン選手のように勝者として終わることはできなかった。だけどもっともっとレジェンドになっちゃたと思う。ボルト選手かっこよすぎ。
そして最後になってしまったけれど、日本チーム銅メダルおめでとう!!!ボルト選手が走ってたら4位だったかなー、はたらればで意味なし。日本チーム、とってもかっこよかった。
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