AMPとレスポンシブの違いやモバイルフレンドリーの意味は?グーグル検索結果のスマホ対応とAMP
グーグルから、AMPを猛プッシュするYouTube配信のお知らせメールが来た。
英語版で、インドネシアの女性と日本の男性がAMPの解説をしていた。はてなブログでもAMPが使えるようになっているが、AMPってレスポンシブと何が違うのだろう。モバイルフレンドリーという言葉も聞くけれどこれとはまた違うのか。
そういえばグーグル検索結果にスマホ対応ってあったけれど最近はAMPって見るなあ。
というわけで、ビデオは英語なので見るのはやめて、ネットで調査してみた。
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モバイルフレンドリーとは
グーグルデベロッパーズの用語集では、「モバイルフレンドリー」を次のように説明している。
モバイル フレンドリー(形容詞)
「モバイル フレンドリー」または「スマホ対応」とは、携帯端末で使いやすいことです(たとえば、サイトが端末の処理速度を低下させない、縦向きの画面で水平方向にスクロールしない、Flash などの非対応プラグインを使用していない、など)。携帯端末のフォームファクター(規格)とディスプレイに合わせて設計されていることを意味します。https://developers.google.com/webmasters/mobile-sites/glossary?hl=ja
モバイルフレンドリーとは、PCなどに比べて画面が小さい携帯端末で見やすく使いやすい表示ができるウェブサイト(ウェブページ)のこと。携帯端末とモバイルは同じ意味で、スマホのこと。グーグルが、モバイルや携帯端末と言う場合は、タブレットは含まれない。タブレットはタブレットと言う。ちなみにPCのことはパソコンと表記している。
モバイルフレンドリーという言葉は、ウェブページが最初コンピュータ用だったことから生まれた。コンピュータ→ウェブサイト(ページ)→携帯端末の順にこの世に現れ、次第に、ウェブサイトが携帯端末からも多く使用されるようになったため、携帯端末で使い勝手がよいようにすることが必要になったというわけだ。
AMPとレスポンシブの違い
まずは、簡単にAMPとレスポンシブについて意味を確かめてみる。
AMPとは
AMPとはAccelerated Mobile Pages(アクセレレーテド・モバイルページズ)の略。
グーグルが2015年10月に始めた、スマホで素早く表示できるウェブページの仕様のこと。いわば、グーグルによる世界を巻き込んだモバイルサイト高速化プロジェクトで、スマホに最適化した極めてパワフルなHTMLバージョンを作ろうとするもの。オープンソース化されていて、現在も構築進行中である。
構築中とはいえ、もちろん今すぐ誰でも導入できる。グーグルが、サイトオーナーたちに向けてAMP導入を猛プッシュしているのは周知のとおり。エンジニアたちやウェブメディアに対してすごい勢いで協力を呼びかけている。
グーグルとしては、モバイルウェブの全体を最適化しようという構想のもと、その仕様を再構築しようとしていると言えるだろう。
AMPは、AMP HTML、AMP JS、AMP Cacheの3つのコンポーネントで構成され、静的なサイトなら、高速かつ崩れない美しいデザインでスマホに表示できる。現在は静的なコンテンツだけに対応していて、動的で双方向性を重視したページ、たとえば地図の経路案内やSNS等には効果的ではない。
AMP専用のコードを埋め込むだけで既存のサイトをAMP化できるし、AMPだけのサイトも作れる。
レスポンシブとは
レスポンシブとはこの場合、「レスポンシブウェブデザイン」のこと。略してRWD。
レスポンシブウェブデザインを、グーグルデベロッパーズの用語集では、次のように説明している。
レスポンシブ ウェブ デザイン(RWD)
ユーザーのデバイス(パソコン、タブレット、モバイル、非視覚ブラウザ)に関係なく、同じ URL で同じ HTML コードを配信しますが、画面サイズに基づいて表示を変化させてレンダリングできる(「レスポンス」できる)ウェブサイト デザインの手法。RWD は Google が推奨する手法です。https://developers.google.com/webmasters/mobile-sites/glossary?hl=ja
レスポンシブウェブデザインは、HTMLコード的には1つでありながら、画面の大きさに合わせて見やすい表示になるデザイン。また、非視覚ブラウザとは、音声、点字など資格ではない方法でウェブサイトの情報を出力するブラウザのことでレスポンシブはこちらにも対応している。
今となっては、ウェブページがレスポンシブであることが当たり前のようにも感じるが、レスポンシブウェブデザインの仕組みができる前は、パソコン用、スマホ用、携帯電話用、のように専用サイト(ページ)を作って対応していた。つまりHTMLコード的に1つではなかった。
AMPとレスポンシブの違い
それは一言でいえば
- スマホでの表示スピード
である。
レスポンシブは、「PCでもスマホでも快適に使える」ということに主眼が置かれているのに対し、AMPは、「スマホでの表示高速化」が目的である。
AMPは名前が示す通り、ウェブ全体というよりウェブの中のモバイル界に特化されたもので、さらに表示速度だけに主眼を置いたものである。モバイルフレンドリーであることは前提、というかモバイルオンリーの仕組みなのである。
AMPでは、データ量がレスポンシブよりも10倍少なくなり、表示スピードは4倍速くなるという。
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AMPとユーザーエクスペリエンス
AMPを主導しているグーグルは、ネットの「ユーザーエクスペリエンスの向上」を達成するツールとしてAMPの導入を猛プッシュしている。
■モバイルユーザーの不満1位「遅い」
グーグルの調査によると、モバイルインターネットで嫌なことの第1位が、ダントツで「ウェブページの表示が遅い」ということであった。
遅いとそのページは見ないで離脱する。誰にでも経験があるだろう。そういえば、前に見たグーグルの動画では5秒Maxと言っていたような。
ユーザーエクスペリエンスを第1に考えるグーグルとしては、このダントツの不満を解決しないわけにはいかない。
■モバイルユーザーが半分以上
2016年11月以来インターネットは、モバイルからのアクセスがPCからのアクセスを上回っている。2017年8月では約52%。単純計算なら全ユーザーの4分の1がモバイルは遅いという不満があることになる。
http://gs.statcounter.com/platform-market-share/desktop-mobile-tablet
また、ネット接続の状況がいつも高速とは限らない。対象が世界であることを考えれば、スピードの状況は様々なのであり、その影響は大きい。
■モバイルデータは無料じゃない
データ量が10分の1になることは、データのダウンロードのコスト面でも、ユーザーにとってエクスペリエンスの質が大きく向上することである。
特に、スマホはデータ量が気になることもあるだろう。この場合も対象が世界であることを考えれば、その影響の大きさは想像できる。
よって、グーグルは、ユーザーエクスペリエンスが向上するツールとしてAMPをプッシュしている。もちろんそれがひいてはグーグルが儲かって生き残れる道であるからなのではあるが。
AMPページにすればレスポンシブはいらないのか
レスポンシブはいる。
なぜなら、レスポンシブデザインとAMPは目的が違うからである。
モバイルからのアクセスが多くなったとはいえ、半分はPCからなのであるし、ネットの利点の一つはAMPが苦手としている双方向性ということもあるし、できないことがたくさんある。
AMPはまだ発展途中で、今後どのように発展していくのか、果たして普及するのかなど今後の見通しが不明でもある。
現在の位置づけとしては、レスポンシブのサイトに加える高速表示機能がAMPというところが妥当なのではないだろうか。
グーグル検索結果のスマホ対応とAMP
一時期、スマホでのグーグルの検索結果に「スマホ対応」と出ていたが、これはモバイルフレンドリーになっているサイトに表示されていた。スマホ対応ラベルの廃止を発表したのは2016年8月で、というのも当時の検索結果の85%がスマホ対応していたから必要なくなった。
今は「AMP」と出ていることがあるが、これはAMPを導入しているサイト。速く表示できますよ、というサインである。グーグルはAMPにしているサイトをえこひいきしますよ、という意味でもある。グーグルはニューヨークタイムズなどAMP導入で大きく利益が向上した例などを挙げて効果を発表している。これからもどんな効果があるのかの調査結果について注目していきたい。
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感想
AMPと言われてもぜんぜんピンとこなかったが、調べてみてとても勉強になった。正しく理解できていないところもあるように思うが、これからも情報を蓄積していくことで補っていきたい。
グーグルのAMPプッシュ力はすごくて、最近はAMPと検索結果に出ている。だけど調べてみるとプッシュするわりに、非対応なものが多すぎるとも思った。AMPの内容についてこの記事では詳しく書かなかったけれど、なんか不便っぽいと感じてしまった。
グーグルは、モバイル検索とPC検索を分けることを2016年に発表したが、実施については延期が続いている。
グーグルは巨大で、ネット上のルールを作っているように思えるが、みんなそんなに簡単についてこられるのだろうか。なんだか巨大な力から強制されるとうまくいかないっていうのがこの頃の社会情勢のように見えるけれど、たとえばグーグルにも同じくらいの強さの対抗勢力がいるといいのに。そうすると新しい仕組みの意味が比較検討できてもっとわかりやすいのに。またはグーグルとはまた全く違った思考でインターネットの歩き方を提供するサービスとかあるといいのに。
はてなブログでもAMP対応しているけれど、いろいろ面倒かなと思って未使用の自分は、AMP未消化なことだけはまちがいない。