クリスマスツリーを飾る意味!なぜキラキラしているのか起源や歴史を調べた
クリスマスと言えば、クリスマスツリーは欠かせない。キラキラしたカラフルな飾りをつけて、電飾をつけて、部屋の中にも飾るし外にも飾っている。クリスマスツリーは昔からキラキラ光っていたのだろうか。電飾がなかったころはどうしていたのだろう。キラキラには意味があるのか、それともキラキラは伝統的ではないのか。
クリスマスにとってクリスマスツリーとは何か。なぜ飾るのか。その起源や歴史を調べた。
- クリスマスツリーとは?
- キリスト教にとってクリスマスツリーを飾る意味
- クリスマスツリーはなぜキラキラしているの?
- クリスマスツリーの起源と歴史
- クリスマスツリーの前身
- カトリック総本山ローマ法王とクリスマスツリー
- まとめ
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クリスマスツリーとは?
クリスマスツリーとは何か。
グーグルで検索すると、
クリスマスの時に、飾りや贈り物をかける木。多くはモミの木を使う。
と出てくる。まあ、そのまんまクリスマスの時に飾っている木がクリスマスツリー 。特に意味などは書かれていない。
では、キリスト教的には、どう言っているのか。
キリスト教にとってクリスマスツリーを飾る意味
クリスマスツリーは、
- キリスト降誕の象徴
である。
イエスキリストは、ベツレヘムの馬小屋で夜に生まれた。その時、夜通し羊の番をしている羊飼いたちのもとに天使が近づいてきて、神の栄光があたりを照らし、この世に救世主が生まれたことを告げる。天の大軍も加わり神を賛美する。
東方では賢者たちがユダヤの王が生まれたことを告げる星を見てイエスのもとを訪れ3つの贈り物をする。
クリスマスツリーは、不死と光を象徴している。
不死は神であり神の子キリストであり、キリストは救世主でこの世にとって光そのものである。不死を象徴する常緑樹はまたエデンの園の象徴でもある。そしてキラキラは文字通り光である。
ツリーのてっぺんに飾られるのは伝統的に星や天使。これは東方の賢者が見たベツレヘムの星でありキリストの誕生を告げた天使である。
かつてローマ法王は、クリスマスツリーをこう言っている。
クリスマスツリーはキリストの象徴です。冬の常緑の樹は、古くから不死の象徴であって、それはクリスチャンにとって創世記の生命の樹、神の人類への究極の贈り物であるキリストを思い出させるもの、人生の価値を思い起こさせるものです。
クリスマスツリーを飾る意味は、いつもよりいっそう強くキリストを思い出す、ということである。
クリスマスツリーはなぜキラキラしているの?
というわけでキリスト教的意味を踏まえると、クリスマスツリーのキラキラは、
- 世界を照らす光・キリストそのものを象徴
しているのである。
キラキラしてなきゃクリスマスツリーじゃないといってもいいだろう。
クリスマスツリーの起源と歴史
現代のクリスマスツリーに直接つながる起源はドイツにある。
クリスマスツリーが最初に記録に現れるのは、つまり歴史上に現れるのは、15~16世紀のヨーロッパで、現在のドイツ北部やラトビアとエストニアにあたる地域である。
これらのツリーはどれも、ギルドや青年団などの団体によって立てられたもので、地域の子どもたちや見習い中の若者のためのお菓子が飾られている「公共の」ツリーであった。また、ツリーの周りで踊ったり、燃やしたりして、多分に古代からの習慣と混ざり合ったものであったと考えられている。
キラキラのツリーの起源はこの人
最初に家の中にツリーを飾ったのは、16世紀(1517)の宗教改革で有名な、ドイツのマルティン・ルター(1483-1546)であるといわれる。
ルターは教科書で見たことがあるに違いないこの方。
なぜルターは家の中にツリーを飾ったかというと…
…クリスマス前のある夜、ルターは、暗い森を歩いていた。ふと空を見上げると、木の枝の向こうに星がキラキラと輝いている。
なんて美しいのだろう!ルターは、クリスマスの日に天国の星から地上へとやってきたイエスを思い起こしたのだった。
家に帰ったルターは、その感動を子どもたちに話し、もみの木にろうそくの火を飾って家の中に再現したのだった…
こんなふうに。
出典:www.tes.com
火を直接木に飾るなんて、かなり危険………
ちなみにろうそくの代わりに初めて電気で飾られたツリーは、1882年ニューヨークの5番街に飾られたもの。電球を発明したエジソンの仲間のE.ジョンソン氏が作ったものであった。電球は高額だったので、一般にろうそくから電飾に変わったのは、それから50年近くたった1930年以降のことということである。
ところがまた最近、ろうそくの火のほうがかっこいいという人たちが現れて、アメリカなどではツリー用のキャンドルスタンドが売れているのだとか。
おうちクリスマスツリーはプロテスタントから
ところで、ルターとは、堕落したカトリック教会を批判して、当時のローマ教皇レオ10世に破門された人物。そして、カトリック教会から分離したキリスト教の教派、「プロテスタント」を生むことになった、いわゆる宗教改革の中心人物である。
ゆえに、ルター考案の家に飾るクリスマスツリーは、プロテスタントの家庭に広まった。18世紀の初めまでには、「プロテスタントが多い地域」において一般的なものとなった。
一方、カトリックの人たちにおいては、クリスマスツリーは受け入れられなかった。同じドイツにあっても、クリスマスツリーはあくまで「プロテスタントの習慣」と思われていた。
キラキラ飾りはルター後のガラス工房から
現代のクリスマスツリーは、ライト以外の飾りもキラキラしているが、初期のクリスマスツリーの飾りは、リンゴ、キャンディケーン(杖型の飴)、星や花やハートをかたどった焼き菓子など。
キラキラの飾りが作られるようになったのは、ルター直後の16世紀後半のこと。
ドイツのラウシャでガラス職人により作られた。
その一つがリンゴをかたどった丸いガラスの飾り。ガラスの中には、硝酸銀が流し込まれる。手作業でペイントし、フックを付けて飾れるように仕上げる。そのガラスの飾りは瞬く間に人気になったという。そう、あのボール型のクリスマスオーナメントである。素材が多様になって、今でも大人気のクリスマス飾りであり続けている。
あのボールがリンゴだったとは、知らなかった。リンゴは、エデンの園の木の実の象徴である。
世界に広まったのは19世紀以降
19世紀初頭になると、クリスマスツリーは「ドイツ文化」として、まず欧米の上流階級で知られるようになった。
たとえばイギリスでは、母がドイツ出身のビクトリア女王(1819-1901)は、子ども時代からクリスマスツリーが大好きだったという。
ビクトリア女王の配偶者もドイツ出身。1848年12月ののthe Illustrated London Newsにクリスマスツリーを囲む女王一家が描かれた記事が出ると、一般に広がるきっかけとなった。
また、ドイツ出身の移民たちも、ヨーロッパ各地やアメリカに、ツリー飾る習慣を運んだ。
クリスマスツリーの前身
現在、クリスマスツリーのルーツとなったのではないかとして考えられていることは、
- ヨーロッパ各地の冬の祭りで古代から伝統的に常緑樹を飾る習慣があったこと
- ヨーロッパに古代からある樹木崇拝
- 聖書の創世記に登場するエデンの園の樹
クリスマスツリーは、古代からの習慣と混ざり合ったことで、広く受け入れられて浸透していった。
樹木信仰は洞窟の壁画の時代からの伝統である。また、北欧のユールというクリスマスの呼び名は、キリスト教以前からの冬の祭りの名前である。そこでは常緑樹が不死の象徴として神聖な存在感を放ちつづけてきた。クリスマスやキリストの神の神聖さと容易にオーバーラップする。
また、中世のドイツでは、文字が読めない民衆のため、クリスマスイブに教会前で聖書の物語を上演していた。アダムとイブからキリスト降誕までの物語が多かった。
その舞台には、エデンの園の象徴として必ず「樹」が登場した。この樹の枝には、赤いリンゴの実がたくさんつけられていた。その樹を担いで街中を練り歩くことで、上演を民衆に知らせていた。
それらの樹=ツリーは、時間とともに交じり合い、16世紀のドイツでクリスマスのための樹として現れた。前身と呼ぶべき樹の存在ががあったからこそ、それがいわば伏線となって違和感なくクリスマスツリーは受け入れられ、広まっていった。
カトリック総本山ローマ法王とクリスマスツリー
ローマ法王が暮らすカトリックの総本山・バチカンには、実はずっとクリスマスツリーがなかった。
初めてクリスマスツリーが飾られたのは、驚いたことに、1982年のこと。
キリスト教2000年の歴史を考えれば、実に最近のことである。
なぜか。
そう。先に述べた通り、クリスマスツリーは、「破門したプロテスタントの習慣」だったからである。
キリストが生まれたころのユダヤには、そもそも誕生日を記録する習慣がなく、誕生日を祝うのは、ユダヤ人にとって「異教徒」の習慣だった。
当然、キリストの誕生日については聖書には書かれていないし、クリスマスもなかったのだ。
にもかかわらず、3世紀ほど過ぎた336年、最初のクリスマスが行われる。その頃、ローマ帝国で盛んだった冬至の頃の異教徒の祭りに便乗する形で行われたらしい。今ではすっかりキリスト教のメインイベントの一つになっているクリスマスは、実際は、時の情勢的大人の理由により、異教徒から取り入れられたイベントなのである。そしてその時、クリスマスツリーはもちろんなかった。
uwanosorajikenbo.hatenablog.com
バチカンにクリスマスツリーが導入された時のローマ法王は、ヨハネ・パウロ2世。ポーランド生まれの法王であった。
ちなみに法王と教皇という表現について、NHKによると、正式にはローマ教皇であるそうだが、現代の日本語では法王という言い方が一般的ということで、前出の16世紀の人物は教皇、現代の人物は法王と書いた方がしっくりくるかなと思い法王とした。
カトリックの伝統的なクリスマスの飾りとは?
カトリック教会で伝統的なクリスマスに飾るものの定番は、
- クリスマス・クリブ
キリスト降誕の物語を人形などで表した飾りなのだそう。例えばこんな感じの。
ツリーを取り入れたヨハネパウロ2世は、クリスマスクリブもクリスマスツリーも、ともに、「クリスマスの真の意味を伝える尊い象徴」であると意味づけた。
今バチカンでは、こんな風に両方飾られている。
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まとめ
現代のクリスマスツリーは、地上に光を降り注いだキリストの象徴として飾られている。だからツリーはキラキラしている。
クリスマスツリーの起源は、現代のものはドイツ発祥であるが、キリスト教以前からヨーロッパ各地にあった冬の祭りや樹木崇拝が前身となってキリスト教と混ざり合って生まれたと考えられている。
おまけ
ということは、緑の常緑樹じゃないと意味がなくなっちゃうから、白いツリーや葉のないツリーはアウトってことになるような。それに光ってないといけないから、電飾なしもアウトかも。クリスマスツリーは緑でキラキラが正統派。あ、それから、もみの木じゃなくっても、常緑針葉樹なら一般的ということです。
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