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男子テニスの世界ランキングの決め方!錦織圭のポイントはどのように計算されているのか

テニスには、世界ランキングという仕組みがあって、どの選手のが活躍しているのかわかりやすくなっている。世界ランキングはポイント制のシステム。どのように世界ランキングが決まるのか。たとえば、錦織圭選手を例に、どのように計算されているのかを調べてみた。

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atpworldtour.com

 

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テニスの世界ランキングとは?

テニスの世界ランキングとは、テニスの管轄団体が管理するポイント制のシステムで、男子と女子のプロのランキングやジュニアのランキングがある。

一般に、プロのランキングのことを「世界ランキング」と言い、男子のランキングはATP(男子プロテニス協会)が、女子はWTA(女子テニス協会)が管理している。

ここでは、男子の世界ランキングに注目する。男子の世界ランキングは、ATPランキングとも言う。世界ランキングには、シングルスとダブルスのランキングがある。

世界ランキングはいつ発表されるの?

世界ランキングは、毎週月曜に発表される。

ただし、グランドスラム、マイアミオープ、,BNPパリバオープンが行われている期間は発表がなく、1週休みで2週間間が空く。

 

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男子テニスの世界ランキングの決め方

世界ランキングを決めるのは、最新52週間分の合計獲得ポイント数。ポイント数が多い順がランキング順である。

ATPは、男子プロテニスの国際大会を管轄していて、大会は、カテゴリー分けされている。

カテゴリーごとに、そして勝ち進んだラウンドごとにポイント数が決まっている。

上位のカテゴリーの大会ほど、ポイント数が高い。

またポイントを計算する大会については優先順位が決まっているが、通常は、最新52週のうちポイント数が高かった18大会である。シングルスでは、ATPファイナルズに出場できた場合は、それを加えて19大会。

■大会のカテゴリーとは?

男子の世界ランキングに反映される大会カテゴリーは、優勝ポイント数が高い順に、

  1. グランドスラム 優勝2000ポイント
  2. ATPファイナルズ 全勝優勝1500ポイント
  3. ATPマスターズ1000 優勝1000ポイント
  4. ATP500 優勝500ポイント
  5. ATP250  優勝250ポイント
  6. ATPチャレンジャー 優勝80~125ポイント
  7. フューチャーズ 優勝18~35ポイント
■ポイントを計算する大会の優先順位

シングルスの場合

  1. グランドスラムの4大会
  2. ATPマスターズ1000の8大会とATPファイナルズ
  3. モンテカルロマスターズ、ATP500、ATP250、ATPチャレンジャーとフューチャーズの大会でポイントの高いほうから6つ

ダブルスの場合

  • 最新52週の18大会で獲得したポイントの合計

シングルスでもダブルスでも、グランドスラム4大会とATPマスターズ8大会では、一度本戦出場が決定したら、たとえ出場しなかったとしてもそのポイントが優先的にカウントされる。

■ポイント数一覧
  優勝 準優勝 準決勝 準々決勝 ベスト16 ベスト32 ベスト64 ベスト128 予選勝者
グランドスラム 2000 1200 720 360 180 90 45 10 25
ATPファイナルズ *1500                
ATPマスターズ1000 1000 600 360 180 90 45 10(25) (10) 1)25
ATP 500 500 300 180 90 45 (20)     2)20
ATP 250 250 150 90 45 20 (5)     3)12
チャレンジャー125,000 +H 125 75 45 25 10       5
チャレンジャー125,000 110 65 40 20 9       5
チャレンジャー100,000 100 60 35 18 8       5
チャレンジャー75,000 90 55 33 17 8       5
チャレンジャー50,000 80 48 29 15 7       3
チャレンジャー 40,000 +H 80 48 29 15 6       3
フューチャーズ** 25,000 +H 35 20 10 4 1        
フューチャーズ** 25,000 27 15 8 3 1        
フューチャーズ** 10,000 18 10 6 2 1        
*Nitto ATP Finals 1500 for undefeated Champion (200 for each round robin match win, plus 400 for a semi-final win, plus 500 for the final win).
** ATP Doubles Rankings points will be awarded in Futures tournaments beginning with the semi-final round.
1) 12 points only if the main draw is larger than 56
2) 10 points only if the main draw is larger than 32
3) 5 points only if the main draw is larger than 32

引用元:atpworldtour.com

ベスト128~16は、1回戦から4回戦にあたるラウンドで、ドロー数によって1回戦がどこになるか違う。たとえば、グランドスラムならドロー数が128なので、1回戦がベスト128である。ドロー数32の場合、ベスト32が1回戦。

 

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錦織圭のポイントはどのように計算されているのか

たとえば、2018年8月27日発表の錦織圭選手のポイント数は、1755。

ATPの錦織選手のページにあるポイントの計算内容は次の通り。

Grand Slams
Date Tournament Round Points Drop Date
2018.07.02 Wimbledon QF 360 2019.07.15
2018.05.28 Roland Garros R16 180 2019.06.10
2018.01.15 Australian Open - 0 2019.01.28
2017.08.28 US Open - 0 2018.09.10
ATP World Tour Masters 1000
Date Tournament Round Points Drop Date
2018.04.16 ATP World Tour Masters 1000 Monte Carlo F 600 2019.04.22
2018.05.14 ATP World Tour Masters 1000 Rome QF 180 2019.05.20
2018.08.13 ATP World Tour Masters 1000 Cincinnati R32 45 2019.08.19
2018.03.19 ATP World Tour Masters 1000 Miami R32 45 2019.04.01
2018.08.06 ATP World Tour Masters 1000 Canada R64 10 2019.08.12
2018.05.07 ATP World Tour Masters 1000 Madrid R64 10 2019.05.13
2018.03.05 ATP World Tour Masters 1000 Indian Wells - 0 2019.03.18
2017.10.30 ATP World Tour Masters 1000 Paris - 0 2018.11.05
2017.10.09 ATP World Tour Masters 1000 Shanghai - 0 2018.10.15
ATP World Tour 500
Date Tournament Round Points Drop Date
2018.07.30 Washington QF 90 2019.08.05
2018.06.18 Halle R16 45 2019.06.24
2017.10.23 Basel - 0 2018.10.29
Best Of Other Countable Tournaments
Date Tournament Round Points Drop Date
2018.01.29 Dallas CH W 100 2019.02.04
2018.02.12 New York SF 90 2019.02.18
Non-Countable Tournaments
Date Tournament Round Points Drop Date
2018.04.23 Barcelona R32 0 2019.04.29
2018.02.26 Acapulco R32 0 2019.03.04
2018.01.22 Newport Beach CH R32 0 2019.01.28

atpworldtour.com

■錦織圭はトップ30の選手

錦織選手は、いわゆるトップ30の選手で、上位大会に出場義務が課せられている選手である。

トップ30の選手とは、年度末に世界ランキング30位以内であった選手であって、錦織選手の2017年最後の最後のランキングは22位であった。

トップ30の選手は、モンテカルロを除くマスターズ8大会と、モンテカルロとATP500の合計少なくとも4大会に出場しなければならない。

■ここ52週間の出場大会

錦織選手は、昨年8月から欠場していて、ここ52週間の出場大会は、全部で15大会。

出場のうちわけは、グランドスラム2大会、モンテカルロを含むマスターズ6大会、ATP500 4大会、ATP250 1大会、チャレンジャー2大会であった。

今回の場合、これらの大会獲得ポイントを全部足すと1755になるのだが、上記のATPの錦織選手のページでは、計算されている大会はちょっと違う。

■ポイントが計算されている大会

計算に入っている大会は、グランドスラム3大会、モンテカルロを含むマスターズ7大会、ATP500が3大会、そしてチャレンジャーズ2大会で15大会。

今年出場したものの1回戦で敗退して0ポイントだった、ニューポートビーチのチャレンジャー、ATP500のメキシコオープン、そしてATP500のバルセロナの3大会は計算外となっている。

代わりに、同じく出場していないため0ポイントの昨年10月のATP500のバーゼル、今年1月の全豪オープンと3月のマスターズ、BNPパリバオープンが計算に入っている。全豪とBNPパリバは、本戦出場が決定していたのに出場しなかったため、上記の決まり通りカウントされている。

とはいえどちらにしても入れ替わっている大会は全部0ポイントで、合計は変わりなく1755ポイント。

 

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世界ランキングをポイント数で決める理由

世界ランキングをポイント数で決めるのは、

  • 分かりやすくて公平だから

である。

この公平なポイントシステムができたからこそ、テニスというプロスポーツが世界中で人気になったと言っても過言ではない。

このシステムができる前は、いわゆるテニスウォッチャーやテニス界の大物やマスコミや利害関係者などがそれぞれ私見でランキングを発表していたそうである。

世界ランキングは、ただ順位を決めているだけでなく、大会の出場権やシード順も決めている。

そこでこのポイント制の公平性が発揮される。

想像できるように、このポイントシステムがなかったころは、大会出場者も大会主催者の私見で決めていた。それが悪いわけではないが、選手たちからも観客からも不満がでることになった。

テニス界を盛り上げるには、テニスをする人がより多くいなければならない。そしてプロとして生活できなければプロになる人は少なくなってしまう。ATPはいわば労働者としてのプロテニス選手たちを守り、テニスを盛り上げていくための団体。それにはあらゆる人間社会の法則通り、内外の信頼がなによりも重要なのであり、より多くの信頼を得ために、公平さが必要だったのであった。

 

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まとめ

男子テニスの世界ランキングは、ATP(男子プロテニス協会)が管理している。公正なポイント制で、ランキングによって大会の出場権やシード順などが決まる。
世界ランキングは、条件がいろいろあるが、ざっくりいうと最新52週の18大会分の合計ポイント数で決まる。