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蛍の光を歌う意味

紅白歌合戦の最後も年末ジャンボ宝くじ抽せん会の最後にも蛍の光を歌っていた。
そういえばデパートの閉店時などに流れていた記憶があり、海外では新年が明けるとともにうたうのが定番である。

蛍の光を歌う意味とは?

 

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蛍の光のオリジナル

ホタルの光のオリジナルは、スコットランド民謡の

  • 「Auld Lang Syne」オールドラングサイン

英語ではオールドラングザインと言っているように聞こえる。

英語の意味に直すと、

  • 「times gone by」

で、時が過ぎた、というような意味である。

また、英語に訳すときには、

「old long since」や「long long ago」、「days gone by」、「old times」、「for old times」
とされるとこもある。

日本語で「昔々」、英語で「once upon a time」といったおとぎ話の始まりを、スコットランド語では「In the days of old lang syne」と書くこともある。

この詩は、1788年にロバート・バーンズ氏によって書かれたが、スコットランドに伝わる詩が元になっている。

曲はスコットランド民謡である。スコットランドの5音音階のメロディーで、もともとはテンポが速い踊りの曲であったと言われている。

内容はざっくり言って

  • 古き友を思い、いつまでも忘れない

ということ。

なぜ年が明けるとともに歌うのか

英語圏ではこの歌を新年午前0時とともに歌うがそれはどうしてなのか。

スコットランド民謡のこの歌は、もともとはスコットランド人が海外へ行き、この歌もともにもたらした。スコットランド人がいるところでは知られた歌となった。

しかしながら、英語圏で年が明けるとともに(午前0時になるとともに)この歌を歌うのは、スコットランド人がそうしていたからではないらしい。

始まりは、ガイ・ランバルド氏とそのバンドが1929年の年越しライブでたまたま午前0時とともに歌ったことにであると言われている。この模様はラジオの特別番組で放送されていた。

今ではこの歌が、終わりと始まりを象徴するものとなっていて、葬儀や卒業、選挙など何かが終わり何かが新しく始まる機会に多く歌われている。

 

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日本の場合は

日本では、「蛍の光」としてこのメロディーが知られている。
蛍の光の歌詞は、オリジナルを訳したものではなく、まったく別の詩である。

英語のウィキペディアにも紹介されていて、日本では、卒業式や商業施設などの閉店時、そして紅白歌合戦のエンディングに使用されると書かれている。

日本と同じように、世界各国でこの歌はその国ならではの使われ方をしているそうである。

日本では、大日本帝国海軍で海軍兵学校などの卒表式典曲として「蛍の光」が使われていた歴史がある。歌詞は4番まであり、後になるほど軍歌っぽくなっている。

デパートなどの閉店時にかかる曲には、歌詞は入っていない。同じメロディーであるが、こちらの場合は、3拍子に編曲された「別れのワルツ」と題された曲で、映画「哀愁」の中で主役の二人がクラブで踊るシーンで使われていて、有名になった。
その後この曲はコロムビアレコードの依頼で古関裕而氏が採譜編曲し日本でレコード化された。

以後、日本では、このメロディーを「別れ」や「終わり」の象徴として使用、定着した。


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まとめ

「蛍の光」は、もともとスコットランド民謡で、世界中で知られている曲である。

「蛍の光」は、スコットランド民謡に全く別の日本語の歌詞を付けたものである。蛍の光は何かが終わるときに歌われる。日本では有名な映画で使用されたこのメロディーが3拍子に編曲された「別れのワルツ」と題された曲を終わりの象徴として使用されることが多い。

英語圏では、新年午前0時になるとともに歌われる新年の歌である。元の歌詞の意味は古い友をずっと忘れない、という意味であるが、終わりと始まりの象徴の歌と認識されている。

調べていて思ったのは、伝統や習慣だから、という理由がこの歌を歌ういちばんの理由であり、意味はそこにあるのかもしれないということである。

日本でも、卒業式や閉店時のお知らせに使われているから、別れや終わりを象徴する歌、のように広く認識されている。

もし意味があるのなら、なんとなく皆が感じているであろう、「これで何かが終わったけれど、新しく始まることをがんばります」、的な意味であっていて、特にそれ以上の意味はないように思った。

英語圏でも、この歌の意味を知らずに歌う人がほとんどであるらしいともわかった。

そもそも、「蛍の光」は日本だけのオリジナル歌詞なのであり、私の結論としては、西洋を追いかけた明治時代にこの曲を取り入れ、日本独自の歌詞を付けたが、今では終わりを象徴するメロディーとなった、というところである。

オリジナルの古き友を忘れないという意味とも少しはかぶっているし、終わりと始まりの象徴というところも半分はかぶっている。

伝統や習慣はそもそもの意味がどうであれ、なにか神聖で希望のようなものを放つようになるのではないだろうか。