マティス国防長官とは?狂犬の理由や経歴とトランプが指名した理由について
トランプ政権の国務長官は、ジェームズ。マティス氏である。「狂犬」と呼ばれているがその理由は何か。ほかにも「戦う修道士」や「カオス」というニックネームがあるがその意味するところとは。
マティス国防長官のの学歴や経歴などを調べた。
また、なぜマティス氏はトランプ大統領が国防長官に選んだのかについても調べてみた。
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ジェームズ・マティス国務長官とは
ジェームズ・マティス氏は、2017年1月20日に就任した第26代アメリカ国防長官である。
名前は、James Norman Mattis、で通称ジム・マティス。
1950年9月8日、ワシントン州プルマン生まれ。66歳で国防長官になった。
母のルシールは、幼いころにアメリカに移民し、第2次世界大戦時には南アフリカで軍の諜報員をしていた。
マティス氏はワシントン州リッチランドで育ち、1968年にコロンビアハイスクールを卒業、1971年にセントラルワシントン大学で歴史学の文学士号を取得した。
軍人としては、1969年に海兵隊予備役に所属、大学卒業後1972年に海兵隊少尉として予備役のトレーニング部隊に配属となった。
マティス氏は、7000冊以上の本を所有していたこともある読書家で、知的な側面が上司からも注目されていた。「マルクス・アウレリウスの自省録のような人物」と評されたこともある。
マティス氏は世界史や軍事史の研究に熱心で、海兵隊の外国での作戦の前にはその地の歴史や文化を隊員にも学ばせた。
マティス氏は順調に出世し、1991年の湾岸戦争では、大隊長として、2001年のアフガニスタン戦争では遠征旅団司令官として指揮を執った。
2003年のイラク侵攻時には第1海兵師団の司令官としてなり、翌年のファルージャでの戦闘では中心的な役割を担った。
2007年には、米統合戦力軍司令官、NATO変革連合軍司令官に就任。
2010年、中央軍司令官となる
その後、オバマ大統領とイラン政策をめぐって対立。
2013年3月22日、中央軍司令官退任、5月22日に海兵隊を退官する。
実に40年以上軍人であった。
軍の退官後は、フェアワーク・コミッションのコンサルタントや、ジェネラルダイナミクス(戦闘機などを作っている会社)の役員などをした。また、2013年から2017年1月まで、シリコンバレーのバイオ会社セラノスの役員であった。セノラスは血液検査のベンチャーであるが、近年検査の不正が告発されて大問題となった。
2015年12月にマティス氏はスピリットオブアメリカに加わる。
2016年8月に出版された本「Warriors & Citizens: American Views of Our Military」を共同編集した。
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マティス国防長官が戦う修道士と呼ばれる理由
マティス氏は未婚。子どももいない。
未婚であることと一生を戦いの研究に捧げているところから、マティス氏には「戦う修道士(the Warrior Monk)」のニックネームがある。
マティス国防長官が狂犬と呼ばれる理由
日本語で「狂犬」と訳されているマティス氏のニックネームのもともとは、「Mad dog(マッドドッグ)」。これはどういう意味なのか。
マッドドッグがどういうときに使われるか調べてみると、戦闘で勇猛果敢に強い人のこと、もマッドドッグというらしい。動詞では、誰かのことを威圧的にじーっと見ることを”マッドドッグる”というらしい。
それで、なぜマティス氏がマッドドッグと呼ばれているのかの理由は・・・
CNNなどの報道によると、2004年のイラン・ファルージャの戦闘からきているという。マティス氏は、イギリスとアメリカの隊を率いてイラクの暴徒たちにたちむかった。つまりここでは強い戦闘者という意味か。
また、マティス氏はストレートなもの言いをする人物で、生来、戦闘が好きな性格なのだそうである。
マティス語録がその性格を物語っている。以下は有名なマティス語録である。
■マティス語録
- 植えられた場所で咲け“Bloom where you are planted.”
- 礼儀正しく、プロらしく振舞え。そして出会った人全員を殺すつもりでいけ"Be polite, be professional, but have a plan to kill everybody you meet."
- 海兵隊は敗北のスペルを知らない“Marines don’t know how to spell the word defeat.”
- 君たちは世界で一番恐れられ信頼されている軍だ。武器に頼る前に脳みそを使え“You are part of the world’s most feared and trusted force. Engage your brain before you engage your weapon.”
- 彼らと戦うのは結構楽しいんだよ。最悪だけどさ。ある人たちを撃つのは楽しいね"Actually it's quite fun to fight them, you know. It's a hell of a hoot. It's fun to shoot some people.”
- 私は穏やかにやってきた。大砲なんて持ってきていない。だけど心からあなたがたにお願いする、目に涙をためて:ふざけた真似したら全員殺すからな ‘I come in peace. I didn’t bring artillery. But I’m pleading with you, with tears in my eyes: If you fuck with me, I’ll kill you all.’
- 君たちはアフガニスタンへ行く、そこにはベールをかぶっていなかったというだけの理由で女性たちを5年もいたぶる男たちがいる、そんなやつらはもうどちらにしても人間ではない。だからそいつらを撃つのは実に愉快だ。 ‘I come in peace. I didn’t bring artillery. But I’m pleading with you, with tears in my eyes: If you fuck with me, I’ll kill you all.’
- 憎まないと人を撃てないと思っているやつらがいるが私はそうは思わない。これはビジネスだ。“There are some people who think you have to hate them in order to shoot them. I don’t think you do. It’s just business.”
なかなかに刺激的な言葉を発していて、メディアに取り上げられ問題発言となることも多かった。そして、ふつうの人には言えない発言ばかりだ。
マティス氏が歴史に詳しく研究熱心でもあったということを考え合わせると、冷静で勇猛果敢で圧倒的に強い軍人といったイメージになる。マッドドッグっていうは何をしでかすかわからないのではなくて冷静で強い怖い人って意味なのかもしれない。
マティス氏に威圧的にじーっとマッドドッグられると想像すると、確かにすごく怖い。
ちなみにマティス氏はこのマッドドッグと呼ばれるのは気に入っていないらしいと報道されている。
マティス国防長官がカオスと呼ばれる理由
マティス氏の軍無線の識別信号がChaosであった。カオスはChaosで、“Colonel Has An Outstanding Solution” (大佐には優れた解決策がある)の頭文字をとったものだとマティス氏本人が言っている。
トランプがマティスを選んだ理由
トランプ氏は、強い軍人が好みで、マティス氏を将軍の中の将軍とべた褒めし国防長官へと指名した。
指名の理由は、トランプ氏がテロ対策を重視しているから。アフガニスタンやイラクでの戦闘を指揮し、イランやイスラム国への厳しい姿勢をもつところがトランプ氏の方針に好都合であったから。また、マティス氏は歴史に詳しくイスラム文化への理解も深いから。
トランプ氏は「強いアメリカ」も合言葉のひとつである。マティス氏のイメージが、トランプ氏にとっての強いアメリカにぴったりなのかもしれない。
まとめ
マティス国防長官は、40年以上軍に所属し中央司令官も務めた退役エリート軍人である。狂犬(マッドドッグ)というニックネームをトランプ氏が多用しているが、2004年のイラク侵攻時の活躍や発言からあだ名されたものである。
マティス国防長官は、勇猛果敢な強い軍人であるだけでなく、歴史や軍事史に研究熱心な読書家でもあり、その知的な面が若いころから軍で重用されていた。
トランプ大統領はマティス氏のイランやイスラム国への厳しい姿勢と厳しくて強い軍人であるところ、そしてこれまでの経験を評価し国防長官に指名した。
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