クリスマスローズとは?名前の由来と伝説
クリスマスローズと呼ばれる花がある。日本でも園芸種として人気の花である。ローズという名だが、バラ科ではなく、キンポウゲ科のなのだそうである。色は白でポインセチアのようなクリスマス色でもない。なぜクリスマスローズというのか。クリスマスローズの名前の由来と伝説について。
クリスマスローズとはどんな花?
このようなお花。
By Robert Hundsdorfer - CC BY-SA 2.0 de, Link
学名は、ヘルボルス・ニゲル。ニゲルは、「黒」を意味していて、根が黒いことから。多年草。野生で見られるのは、スイス、ドイツ南部、オーストリア、スロベニア、クロアチア、北イタリアなど中央ヨーロッパの山岳地域。
クリスマスローズのほか、スノーローズやウィンターローズとも呼ばれ、冬に咲く。
エンサイクロペディアによると、イギリスでは、19世紀にクリスマスシーズンに販売されていたが、今ではフェードアウトしてしまった。フランスでは、今でもクリスマスの食卓に飾り、ドイツではクリスマスを象徴する花である。
なぜクリスマスローズというの?
理由は2つ。
- クリスマスの時期に咲くから
- キリスト生誕と結びついた伝説があるから
クリスマスの時期に咲く
クリスマスローズは、冬に咲く花で、ヨーロッパではちょうどクリスマスの時期に咲いている。
ちなみに日本ではクリスマスよりも後に咲くそうである。
キリスト生誕と結びついた伝説
クリスマスローズの伝説は、マデロンの伝説とも呼ばれ、主人公はベツレヘムの羊飼いの少女、マデロン。
物語の詳細は、地方によって少しずつ違っているが、おおよそのプロットは、次の通り。
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貧しい羊飼いの少女マデロンが、救世主イエスの誕生を知り、その姿を一目見たいとイエスのところまで行く。するとそこでは誰もがお祝いの贈り物をしているが、自分は何も持っていない。野に咲く花を探して冬の夜をさまよったが、結局花はなく、マデロンは泣いていた。
それを見ていた天使がやってきて、雪に落ちたマデロンの涙を美しい冬のローズに変えた。そして、純粋な愛の涙から生まれたこの花ほど救世主イエスにふさわしい贈り物はない、とマデロンに告げる。
マデロンはとてもよろこび、その花を持ってイエスの会いに行くことができた。
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このマデロンの涙から現れた花が、クリスマスローズ、である。
この伝説は史実にあっている?
この伝説の起源はわからないが、ヨーロッパに伝わる伝説で、史実にはあっていない。
まず、キリストの誕生日は不明であるが、研究によると聖書の情景描写などから冬ではないことは確かである。
よって、この伝説は、冬にクリスマスという行事が行われるようになってから生まれた伝説であるといえよう。詳しくは→ そもそもクリスマスとは?
この伝説は、もちろん聖書には載っていない。
まとめ
クリスマスローズとは、ヨーロッパでクリスマスの時期に咲き、キリスト生誕時の伝説もあることからその名で呼ばれている。