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なぜクリスマスの色は赤と緑なの?理由や起源

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クリスマスといえば、テーマカラーは赤と緑。金銀白なども使われるが、圧倒的に使用頻度が高いのが、赤と緑である。

なぜ、クリスマスの色は赤と緑なのか、その理由や由来について探った。

クリスマスが赤と緑の理由

クリスマスの色として、赤と緑が圧倒的になったのは、20世紀に入ってからである。

クリスマスは、4世紀のローマ帝国で、キリスト教とヨーロッパの習俗が結びついて生まれた祭りで、時代とともに、さらにいろいろな習俗や伝統を取り入れながら、変化を続けているわけであるが、赤と緑というイメージになったのは20世紀であった。

「Secret Language of Color(色の秘密の言語)」の著者の一人である、A.エクスタットさんが、アメリカのラジオで語ったところによると、赤と緑がクリスマスの色として定着するようになった要因は、

  • ヒイラギ(セイヨウヒイラギ)
  • 1931年からのコカ・コーラの赤い服を着たサンタの広告

の二つ。

もちろん、それまでのクリスマスに赤と緑が使われなかったということではない。

それまでに「すでに人々の心の中にあったクリスマスの赤と緑」が、自然の美しさと、広告という商業的なものをきっかけに、「クリスマスといったらまず連想する色が赤と緑」というように圧倒的なものとして、定着したのである。

赤と緑のクリスマスは、まずアメリカで定着し、そこから世界へと広まった。

ちなみにサンタの服が赤いのは、コカ・コーラ社の創造ではないとコカ・コーラ社自身が否定している。すでにあった赤い服を着たサンタクロースのイメージを、自社の広告用に、変更を加えて使用し、やがて、多くの人々が、クリスマスといったら思い浮かべるものになったのである。

そして人々は、赤や緑を、クリスマスプレゼントの包装紙、クリスマスカード、飾りなど、クリスマス関連のものに好んで使用するようになり、ますます赤と緑のイメージが強調されていく。

逆に、赤と緑の組み合わせを見ると、クリスマスが第一に想起されるものになっているといっていい。メキシコからやってきたポインセチアも赤と緑だったからクリスマスの花となったそうである。

では、「すでに人々の心の中にあったクリスマスの赤と緑」とは何だろう。


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クリスマスの赤と緑の原風景

ヨーロッパ古代から続く冬の祭りの赤と緑

クリスマスは4世紀から始まったが、それは、異教徒のローマ人たちが12月に盛大に行っていた、サートゥルナーリア祭の影響であったといわれる。

サートゥルナーリア祭では、冬でも枯れないセイヨウヒイラギの、枝や、リースに編んだものを贈ったり飾ったりする習慣があった。キリスト教徒もその習俗を取り入れた。

セイヨウヒイラギの色は、実の赤と葉の緑。

サートゥルナーリア祭に限らず、ヨーロッパ各地の古代から続く冬の祭には、「緑の植物を飾る」という共通点があるそうだ。冬でも枯れない緑色の植物は、不朽、再生、活力、永遠の命などの象徴であった。ケルト人のドルイド教でも聖木であった。

ほとんどの植物が葉を落とし、枯れ色や雪色の景色となるヨーロッパの冬に、ヒイラギは、みずみずしい赤と緑をたたえた美しい植物であった。

とげ型の葉を持つヒイラギは、いばらの冠のイメージとも結びついて、時とともに、クリスマスに欠かせない飾りになっていったと考えられている。


セイヨウヒイラギ H700〜900mm 鉢底より 植木 苗

エデンの園の樹の赤と緑

中世ドイツのキリスト教会では、クリスマスイブに、アダムとイブの物語の演劇が行われていた。演劇は、字が読める人が少なかったころのヨーロッパで、聖書の内容を教える手段のひとつであった。

アダムとイブの物語には「知恵の樹」が登場する。エデンの園の中央部にあるとされる、おいしそうな実がなっている樹。唯一食べてはいけないとされていた禁断の果実がなっている樹である。

演劇の舞台でこの樹は、常緑のもみの木や松の木に、赤いリンゴをくくりつけて表現されていた。

この樹は後のクリスマスツリーの原型のひとつとなったといわれている。

キリスト教の色

西方キリスト教会では、4世紀ごろから導入されていたという儀式に使う典礼色が、12世紀に教皇インノケンティウス3世によって整備された。それは、紫、白、黒、赤、緑の5色。

典礼色とは、教会の暦に沿って行われる行事のときに使われる色で、司祭が身に着ける服やストール、教団のクロスやベールなど布類の色に使われる。

クリスマスの色は、白。

赤は、血、炎、聖霊の意味で、聖霊後輪祭、聖金曜日などの色、緑は、豊かさ、希望、生命の勝利を意味し、ほかの色が指定されてない行事では緑を使う。

というわけで、赤と緑は、特にクリスマスの色に指定されていないが、キリスト教の行事で目にする色ということで、キリスト教を喚起する色ではある。

ちなみに典礼色は、宗派や地域、時代によってほかの色も使われている。


ローマ教皇 修道士 神父 カズラ チャジブル 司祭 カトリック 聖公会 ミサ ポンチョ 大人

まとめ

クリスマスの色が赤と緑なのは、ヒイラギの存在感とコカ・コーラのサンタの広告の影響力。人々の心の中にある常緑のヒイラギの象徴性やヨーロッパの冬の祭りの伝統、キリスト教のイメージと商業が結びついて、最初はアメリカで、そして現在は世界の多くで共通の認識になっていった。

参考:

https://www.npr.org/2016/12/20/506215632/how-red-and-green-became-the-colors-of-christmas

https://www.sensationalcolor.com/why-are-red-and-green-traditional-christmas-colors/

https://wonderopolis.org/wonder/why-are-red-and-green-traditional-christmas-colors

https://www.wou.edu/wp/exhibits/files/2015/07/christianity.pdf