うわのそら事件簿

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万博の開催地ってどうやって決まるの?誰がどのように決めているのか?

万博が世界中で開催されているのは知っているけれど、
「その開催地って、どうやって決まっているの?」
ふと、そんな疑問が頭をよぎった。

今回は、万博開催地の決定方法の謎に迫ってみよう。

事件ファイル No.003|万博開催地の決定方法の謎

発端: 万博の混乱とBIEの誕生

万博の始まりは、1851年のロンドン。
当時、産業革命の進展により、世界の技術革新をリードしていたイギリスが、その技術力を世界に誇示し、さらに国際的な交流を促す場として開催されたのが、第1回万国博覧会(ロンドン万博)だった。

この大成功を収めた初万博を皮切りに、世界各地で開催され、「技術と文化を披露する場」としての価値を確立してきた万博であったが、時がたつにつれ、混乱を招くようになる。

19世紀後半から20世紀初頭にかけての万博の開催は無秩序そのものだった。各国が次々に万博を開催し、開催期間が重複することもしばしば。「どれが“公式”の万博なのか?」、そんな疑問が浮かぶほど、万博の価値は曖昧になっていた。

さらに、一部の万博では、商業的な意図が前面に出すぎて、本来の目的である「技術革新や文化交流」がかすんでしまっていた。万博が「何のためにあるのか」さえ、はっきりしなくなっていたのだ。

その混乱を収拾するために立ち上がったのが、フランス政府だった。
「万博を公正に管理し、その価値を守るための国際的なルールが必要だ。」

こうして、1931年、フランス・パリで「万国博覧会に関する国際条約」が調印され、
1933年、万博を管理する機関、BIE(博覧会国際事務局:Bureau International des Expositions)が誕生した。

BIEの目的は、「万博の秩序を守り、公式性を保つためのガイドラインを定めること。」BIEが、万博の公正性を保ち、その運営を国際的に調整する役割を果たしている。

謎解き:万博開催地はどう決まるのか?

ひとことでいえば、万博の開催地は、BIEが決めている。

具体的には、立候補した都市が、BIEの加盟国の無記名投票によって選ばれていて、その全体の管理や審査プロセスをBIEが仕切っている。

2025現在、BIEには170か国以上が加盟していて、各国の政府代表が参加している。

万博開催地が決まるまでの流れ

万博の開催地が決まるまでには、以下のようなプロセスがある。

 1. 立候補の受付

万博を開催したい都市が、BIEに対して正式に立候補する。
立候補書には、開催テーマ、計画概要、予算案などが含まれている。
これにより、開催の意図や意義を明確に示す必要がある。

 2. プレゼンテーションと評価

立候補都市は、BIE総会でプレゼンテーションを行う。

  • テーマの意義:なぜそのテーマで万博を開催するのか

  • 開催計画:会場の場所、施設、アクセスなど

  • 持続可能性:開催後のレガシーやインフラの活用法
    BIEの評価委員会が立候補地を視察し、実現可能性を評価する。

 3. 加盟国による投票

BIE加盟国の代表者が無記名投票で開催地を決定する。

  • 候補都市が3つ以上ある場合、過半数を獲得した都市が決定。

  • 過半数が出ない場合、最下位の都市を除外し、再投票が繰り返される。

  • 公正性を保つため、各国が平等に投票権を持つ。

 4. 開催地の発表

投票結果が発表され、正式に開催地が決定する。
開催が決まると、その都市には5〜10年の準備期間が与えられる。

万博開催地が選ばれる基準は?

万博の開催地が選ばれる基準は、BIE(博覧会国際事務局)が策定しているガイドラインに基づく。主な基準は以下の通り。

 1. テーマの意義と先進性

  • 万博のテーマが、現代社会にとって重要であり、未来社会を示唆するものであることが求められる。
  • テーマが魅力的で、多くの国が共感できるかが評価されるポイントである。

 2. 実現可能性と準備計画

  • 開催に向けた準備計画が具体的かつ現実的であることが重視される。
  • 施設整備、アクセス改善、宿泊施設の確保など、インフラが整っているかが評価対象となる。
  • 財政的な持続可能性や、開催後のインフラ活用計画も含まれる。

 3. 国際協力と文化交流の推進力

  • 万博は、異文化交流や国際協力を促進する場であるため、開催国がどれだけ多くの国を巻き込めるかが重要となる。
  • 国際色豊かな展示計画や、参加国を支援する体制が求められる。

 4. 社会貢献性と持続可能性

  • 万博は、単に技術を見せるだけではなく、社会問題の解決策を提示する場でもある。
  • SDGsや環境問題への取り組みが含まれているかどうかがポイントである。
  • 現代社会が抱える課題に対し、どのような未来ビジョンを示せるかが評価基準となる。

 5. 開催後のレガシー(遺産)

  • 万博が終わった後、その施設や設備がどう活用されるかも重要である。
  • 使い捨てのインフラではなく、地域活性化や観光資源としての持続性が求められる。

まとめ

万博の開催地は、1933年に設立された万博を管理する国際機関BIE(博覧会国際事務局)が決定する。
開催希望都市が立候補し、テーマの意義や実現可能性を示すプレゼンを行った後、
BIE加盟国の無記名投票によって開催地が決まる。
評価基準は、テーマの先進性、実現可能性、国際協力、社会貢献性、開催後のレガシーである。

探偵のひとこと

万博の開催地?それは未来がちょっとしたフリマを開く場所さ。
探してたものがどこにあるかは、誰も知らないってオチだ。

 

Sources:

-https://www.bie-paris.org/