フィギュアスケートのジャンプの種類や難易度!見分け方は飛び方の始まりにあり
フィギュアスケートは見ているだけでただただ魅了されてしまう。しかしながら競技となると、基準があって、解説ではサルコウやらルッツやらトリプルアクセルといった言葉が飛び交う。
フィギュアスケートのジャンプについて種類やその見分け方について調べてみた。
ただかっこいいだけではなく、飛び方によって難易度も違っている。そしてその違いは、ジャンプの始まりである踏み切りにあった。
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フィギュアスケートの主なジャンプの種類
フィギュアスケートのジャンプには多くの種類があるのだが、国際スケート連盟の規定で現在採点対象としているジャンプは6種類で、名称は以下の通りである。
- トウループ
- サルコウ
- ループ
- フリップ
- ルッツ
- アクセル
これらのジャンプの違いは、ジャンプの始まりである踏み切りにあり、着地はどれも同じである。
例えば、羽生結弦選手の場合、着地はいつも右足で後ろ向きである。多くのフィギュアスケート選手は、羽生選手と同じように、右足後ろ向きで着地する。
また、ジャンプには回転があり、回転数の違いがある。
回転方向は、羽生選手のように右足で着地する選手の場合、左回り(時計と逆回り)である。
回転数は、1回からで、現在は4回が最高回転数である。呼び方は、
- 1回転=シングル
- 2回転=ダブル
- 3回転=トリプル
- 4回転=クアド
日本語ではクアドとはあまり使わず、4回転ということが多い。
理由は分かりやすさである。
この回転数とジャンプの種類を合わせて、ダブルアクセル、とか、トリプルサルコウ、というように呼ぶ。
ジャンプの違いは踏み切りの違い
上記の6種類のジャンプの飛び方の違いは、その踏み切り(テイクオフ)の仕方の違いである。
それは、
- エッジかトウか
- 後ろ向きか前向きか
- 右足か左足か
の3点。
ジャンプの種類を見分けるには、ジャンプの瞬間の特徴的な体勢などもあるが、今回はこの3点に注目したいと思う。
それぞれのジャンプをスローモーションにした動画があった。
https://www.youtube.com/watch?v=yqGcZ6WBZnY
シングルジャンプをスローにしてあって違いを見るのにわかりやすいかと思う。
違い1 エッジかトウか
スケートは、シューズのブレードを使って滑っているが、そのどの部分を利用して飛ぶか、の違いである。
フィギュアスケートシューズの底についているブレードの部分はこのようになっている。
図の1のトウピックと呼ばれる部分はギザギザになっていて、全体にはつま先側からかかと側にかけて緩やかに弧になっている。
商品の写真で見るとこのような感じ。
![]() フィギュアスケート ブレード ULTIMA(ウルティマ) フリースタイル
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エッジはブレードの底の部分で、内側に傾けた時に接着する部分がインサイドエッジ、外側に傾けた時に接着する部分がアウトサイドエッジである。
ジャンプには、エッジを使って飛ぶかものと、トウピックの部分でリンクを蹴って飛ぶものがある。
エッジを使うのは、
- サルコウ
- ループ
- アクセル
の3つ。
トウを使うのは、
- トウループ
- フリップ
- ルッツ
の3つ。
違い2 後ろ向きか前向きか
フィギュアスケートのジャンプは、よく見ていると後ろ向きに飛んでいるものと前向きに飛んでいるものがある。
といっても、競技の中の6種類はほとんどが後ろ向きジャンプで、前向きジャンプは、アクセルだけ。
後ろ向きジャンプはジャンプ6種中5つ。
- トウループ
- サルコウ
- ループ
- フリップ
- ルッツ
前向きは、1つ。
- アクセル
とここで、ひとつの疑問が解決する。
3回転半ジャンプや2回転半ジャンプの「半」である。
前に述べた通り着地はいつも、後ろ向き、であるから、前向きに飛ぶと、半回転合わない。
そう、これを「半」といっているわけで、〇回転半ジャンプと言ったときのジャンプはアクセルのこと。例えば3回転半ジャンプは、トリプルアクセルのことである。
違い3 右足か左足か
ジャンプの踏切りが、右足か左足か、という違いもある。
ここでは、マジョリティである右足で着地する選手の場合を考える。左足で着地する選手の場合は逆になる。
右足で踏み切るジャンプ(着地と同じ足)
- ループ 右足で滑走→右足で踏み切る
- フリップ 左足で滑走→右足で踏み切る
- ルッツ 左足で滑走→右足で踏み切る
左足で踏み切るジャンプ(着地と逆の足)
- トウループ 右足で滑走→左足で踏み切る
- サルコー 左足で滑走→左足で踏み切る
- アクセル 左足で滑走→左足で踏み切る
ここまでをまとめると、
- トウループ 右滑走>後向・左トウ踏切
- サルコウ 左滑走>後向・左エッジ踏切
- ループ 右滑走>後向・右エッジ踏切
- フリップ 左滑走>後向・右トウ踏切
- ルッツ 左滑走>後向・右トウ踏切
- アクセル 左滑走>前向き・左エッジ踏切
おっと、フリップとルッツがどちらも左足で滑走して右のトウで踏み切るという同じ結果となっている。この二つは実際見分けるのが難しいのであるが、その違いはエッジのインサイドに乗るかアウトサイドに乗るかの違いにある。
フリップとルッツの違い
フリップとルッツの違いは、滑走時のエッジの側。
左足での滑走時、エッジのインサイドに乗っているのがフリップで、アウトサイドに乗っているのがルッツである。
フリップでは、左足内側に体重を乗せ、ジャンプ時の回転方向と同じ左回りの弧を描いて前向きに滑走し、飛ぶ前にくるっと後ろ向きに向きを変えて(フリップして)飛んでいることが多い。
逆に、ルッツは左足外側に体重を乗せて後ろ向きに滑走し、その滑走してきた方向と反対の回転をかけながら踏み切るジャンプである。ルッツでは飛ぶ瞬間に足を高く上げている。
ちなみに滑走時のエッジをジャンプごとに見てみると、
- トウループ アウトサイド
- サルコウ インサイド
- ループ アウトサイド
- フリップ インサイド
- ルッツ アウトサイド
- アクセル アウトサイド
これをふまえてまとめなおすと、
- トウループ 右アウト滑走>後向・左トウ踏切
- サルコウ 左イン滑走>後向・左エッジ踏切
- ループ 右アウト滑走>後向・右エッジ踏切
- フリップ 左イン滑走>後向・右トウ踏切
- ルッツ 左アウト滑走>後向・右トウ踏切
- アクセル 左アウト滑走>前向き・左エッジ踏切
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ジャンプの難易度
6種類のジャンプの難易度は低いほうから、
- トウループ
- サルコウ
- ループ
- フリップ
- ルッツ
- アクセル
とされている。
サルコウとトウループが逆になる場合もある。
一番難しいとされているのは前向きに飛ぶアクセルである。浅田真央選手はこの難易度の高いアクセルを得意としている。
まとめ
フィギュアスケートのジャンプの着地はすべて同じで、ジャンプの始まり踏み切り方が違っている。
演技の中の一部を見分けるのはスピードもあってなかなか難しいが、少しだけでも知識が増えてもっとフィギュアスケートを見るのが面白くなりそうである。
ところで、ジャンプの名前であるが、3つは人の名前から来ている。サルコウはスウェーデンのウルリッヒ・サルコウ選手、ルッツはオーストリアのアリオス・ルッツ選手、そしてアクセルはノルウェーのアクセル・パウルゼン選手から取られている。
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