日本の新年には、初詣や初日の出を見に行く習慣がある。お正月は伝統行事のように思われるが、初詣は神社に行くのだから宗教行事だろうか。初日の出を見に行くのはどんな意味があるのだろうか。
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初詣の意味と起源
広辞苑によると、初詣とは、
新年にはじめて社寺へお参りすること。はつまいり。
そんな初詣の習慣が始まったのは、
- 明治中期
のこと。伝統行事というにはあまりに歴史が浅い。
初詣は、明治政府が国をまとめていくために、「神道」を「国家神道」という宗教として利用し、学校や会社を通して国民に神社に詣でるよう促したことがきっかけであるそう。
とはいえもともと、初詣の土台となる習慣があった。古くからは、その土地の氏神神社にお参りするという習慣、江戸時代から流行したその年の恵方にある寺社にお参りするという習慣、さまざまなご利益を求めて初縁日に参拝するという習慣、そしてお伊勢参りである。
神道が国家戦略になった明治時代は、鉄道が発展した時代でもあった。それにより、人々は遠くへ参拝することが可能となって、有名寺社へ詣でることが盛んになった。「初詣」という言葉は、川崎大師へ正月に詣でることを指す言葉として登場したとされている。年始のお参りとプチお伊勢参り的なイベント感がセットになった感じだろうか。
その後、マスコミや鉄道各社の広告で、「初詣」という言葉がより使われるようになり、大正時代には定着していた。
初詣は、政府が広めた宗教的な国家戦略のひとつであったが、人々のそれまでの習慣と鉄道会社の思惑が合体して、遠方の有名施設に出かける娯楽的イベントとして人々に好まれ、習慣化したといえるだろう。
初日の出の意味と起源
初日の出の起源は、日本古来であるとされているが、全国で一般的になったのは、初詣と同じく、
- 明治中期から
である。神道の重要な神様は天照大御神という太陽神。だから、初日の出を拝むことは大切、と国民に広めた。
多くの人が初日の出を見に行くという国は日本だけなのだそうである。
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初詣や初日の出は宗教か行事か
初詣は初日の出は、もともとは明治政府が宗教として国民に広めたものだったが、それは社会の行事となり、いまではたいていの日本人にとって宗教を感じさせない習慣となっている。それはある意味、宗教が生活と切り離された遠い聖なるものなのではなく、世俗化しているから。
よって個人的には、初詣は、娯楽イベントであると思けれど、世界的に見れば宗教行事かなと思う。これが日本人の宗教観っていうものなのかなと。
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まとめ
初詣や初日の出は、古くから日本にあった習慣と神道を国家宗教として全国に広めた明治政府の戦略が融合して、明治中期に全国で一般的になった新年の習慣である。宗教的な行事としての起源をもつが、娯楽的イベント要素が大きい日本的な宗教行事である。
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